相続登記が義務化されることは知っている、しかし手続きが面倒でなかなか実行する気になれないと悩んでいる人もいるかもしれません。不動産の登記を変更する場合、該当する不動産を管轄している法務局まで足を運ぶ必要があります。両親が暮らしていた実家や祖父母の家など、相続人が現在暮らしている場所と相続した不動産の場所が離れている例も多々あり、手続きが難しいこともあり得ます。相続登記が義務化されることで、不動産に関連する様々なトラブルを防ぐことができます。
例えば相続人の増加によって将来的に複雑になり、分割協議が困難になる状況も予防できるでしょう。遺産分割協議が途中のままになっていたり所有者を明確にせずに放置されたりといった不動産は、世代が進むごとに権利関係が複雑になりがちです。親から子供、さらにその孫へと進むことで相続の権利を持つ人の人数が増えていき、結果的に連絡がつかない相続人が発生することになるでしょう。このような状況では遺産分割協議を行うことすら困難になってしまい、子供や孫の世代が苦労することになります。
しかし相続登記の義務化で全ての不動産の所有者が明確になれば、権利関係を曖昧なまま放置せずに済みます。将来的に土地や建物を受け継ぐ子供や孫にとっても、はっきりとした権利のもとで分割協議をなどを進めることができるでしょう。先のことを考えるなら相続登記の義務化を待たず、できるだけ早い段階で手続きを完了することが大切です。